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英検1級に求められる文法力

「英検1級といったら語彙だ!」

 

このような声がX(旧ツイッター)で多く聞こえてきます。英検1級といえば、最初の語彙問題の難しさが有名なので、つい難しい単語集に飛びついてしまうのですが、実はライティングで文法力もチェックされています

 

英検1級を目指す人は、以下の文法項目を人に説明できる試してみてください。

 

・仮定法現在とは何か

・分詞構文の作り方

・名詞に後置修飾できるパターン

・連鎖関係詞と二重限定の違い

・asとthatの用法すべて

・使役動詞の用法


まず確認しておきたい点として、一次の筆記は、リーディング、ライティング、リスニングの配点はそれぞれ全体の3分の1を占めています。つまりライティングの出来が合否に大きく影響するのがわかります。

 

ライティングの採点基準は、内容・構成・語彙・文法と、一見すると文法は全体の4分の1しか占めていないので小さく見えるのですが、実は内容と構成を決めるのは文法力です

 

最初の要約問題は、つまるところ「情報圧縮能力」で、もし文法力が怪しいと、接続詞を使って、SV, SV.と内容を部分的に切り取って書く程度になってしまいます。しかし分詞構文や無生物主語や使役動詞を使いこなせるのであれば、複文を単文で表すことができるようになり、内容を多く盛り込んでも指定された90語から110語に収まるようになります。

 

自由英作においても、名詞に後置修飾できるパターンを知っているだけでだいぶ英文が引き締まってきます。もし関係詞節しか使えないとなると、次のようになってしまいます。

 

I read the book, whose title is ALL ABOUT UFO, which illustrates how aliens will strike the earth, which I mentioned before.

 

ここでもう少し修飾パターンを知っていると、

As I mentioned before, I read the book, ALL ABOUT UFO illustrating how aliens will strike the earth.と表現することできます。

 

他にも英作を添削していると、関係詞では連鎖で言いたいところを二重限定で表現してしまうミスが多くあります(主格を省略することに抵抗があることで起きるミスです)。

例えば、

 

Check this iPhone that I thought was broken at that store.

「あの店で壊れてると思ったiPhoneを見てみて」を、

 

Check this iPhone that I thought that was broken at that store.

「私が考えた中であの店で壊れてるiPhoneを見てみて」とやってしまうケースです。

 

上で挙げた文法項目は決してマニアックなものではなく、表現したいことを的確に表現するための大事なツールです。

マニアックな文法といえば、例えば、強調するために敢えて語順をSVCOにしたり、OSVにしたり、抽象名詞を使って状態で表したりと、試験でわざわざやらなくていいような凝った表現にする類のものです。

 

ところで、

英検1級では得点を伸ばしやすいパートとそうでないパートがあります。

伸ばしにくいのが読解です。語彙や文法を鍛えても、背景知識がないといまいち内容がつかめないものが出てくることがあります(秘密結社のフリーメーソンや経済学のリカードの比較優位など)。それに対し、語彙と英作はしっかり準備していけば確実に得点につながるパートで、確かな文法力をつけることは、ライティングの精度を高めてボーダーに近づくための大切な作業といえます。

リスニングも比較的伸ばしやすいパートですが、緊張して立て続けに落とす可能性もあるので、努力が最も報われる語彙とライティングでしっかり取りたいところです。

 

ライティングの精度を上げるための文法を身に付ける作業は、それほど時間のかかるものではなく、高校レベルの文法をおさらいして書く練習を積めば、本番ですぐに得点につながるようになります。1級の合格可能性を高めるうえで文法はとても大事です。

 

 

 

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