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TIME・Economistは、大学受験や英検に役立つか?

TIMEやEconomistを使った学習をしている人をツイッター上で多く見かけます。自分も読むべきでしょうか?という質問をたまに受ける。

 

まず、現在の実力によって変わる。

ここでは私自身の過去の実力に照らし合わせながら、英検の級別にTIMEを読むとどんな感じになるのか書いてみる。

 

英検2級以下だと、TIMEを購入しても写真だけ眺めて終わる。

英検準1級なら、気に入った記事だけ1つか2つコピーし、余白に知らない単語の意味をたくさん書き込んで、なんとか読める。

英検1級なら、宗教や細かい政治の話などを除けば、ぎりぎり読める。それでも知らない表現は山のように出てくる。

 

TIMEは気取った表現が多いし、かなりリベラルな雑誌で思想の影響も受けるので、どちらかといえばEconomistがおすすめだ。こちらはTIMEほど難解な表現は使われておらず、読みやすい。しかし分量がすごく、世界史や地理や政治経済の知識がないと厳しい。

 

ところで、大学受験生にとって必要か?と問われたら、基本的には不要である。だが、英語を本当に得意科目にし、市販教材に飽きてしまったのなら挑戦する価値はある。実際に慶應の過去問を解くとわかるのだが、商学部なんかでは英文の引用元としてEconomistやGuardianやHarvard Business Reviewなどが出てくる。つまりこの程度は辞書なしで読める力をつけてこいと大学側は言ってるのである。

 

では、大学受験が終わり、英検やTOEICのための学習として、英字新聞や洋雑誌だけひたすら読み続ける学習をしていればいいのか?と聞かれると、そうともいえない。

英検合格だけを目標にするならいいかもしれないが、味気ない英語力になってしまうのだ。

できれば洋書も読みたい。Very Short Introductionsシリーズが読みやすいのでおすすめだ。

このVery Short Introductionsシリーズでは、Big DataとかEducation、Globalization、Accounting、American History、Artificial Intelligenceなど自分の興味のある分野をちょびっと齧るのに最適だ。もっと本格的な洋書、それも小説などを読むなら、Penguin ClassicsやModern Classicsなどがお薦めだが、これらは非常にレベルが高い。

 

ちなみに、ここまで手を出す大学受験生は滅多にいない。いるとしたら、高3の河合の記述模試で偏差値80近くは余裕で出る人である。大学受験が終わって英検1級を目指す人が手を出すものといえる。

 

そして社会に出るとわかるのだが、このあたりが読めるようになってやっと戦力になる。つまり高3の河合の記述模試で英語の偏差値が80近くあってやっとビジネスでは使いものになるといえる。

 

そして英語は背景知識がないと厳しくなってくる段階がやってくる。先ほどのEconomistもそうだが、洋書を読んでても世界史や文化の知識がないとさっぱり理解できない局面がかなりある。

 

たとえば、日本語を学んでる非常に勤勉な外国人がいたとして、「芥川も漱石も三島も司馬遼太郎もはだしのゲンもドラゴンボールも読んだことないし、安全地帯も井上陽水もB’zもミスチルも小室哲哉も浜崎あゆみもダウンタウンもビートたけしも知らないが、東洋経済とプレジデントだけは毎週読んでます」と言ったら、その人は日本語であらゆる話題についていけるだろうか。仕事はできるかもしれないが、飲み会では静かなままの魅力がない人になってしまう気がするのだ。

 

語学には背景知識という側面がある以上、雑誌や新聞を読むことは大事だが、それらに付け加えて、洋楽、洋画、マンガ、写真集、地図、プラモデルの説明書、あらゆるものを教材として使わないといけないと思う。

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