努力を続けると、どこかでスランプ(不調)がやってきます。
英語学習のスランプは、主に長文読解でやってきます。
英文読解は日々の習慣や、心の持ち方で、読める・読めないに影響が出てくる分野なのです。
受験直前で読解スランプに陥ってしまったらどうしたらいいか。いくつか案を紹介したいと思います。
1.長文を要約してみること
受験直前期で、緊張したり不安のなかで読んでいると、気がつくと目で文字を追っているだけで内容が頭に入ってこないことがあります。
そんなときは内容を日本語で80字以内で要約してみることです。
雑誌や本でもいいので、1ページ読んだら、そのページを伏せ、何が書かれてあったか人に説明できるか試してみることです。できれば実際に日本語で文章にして書いてみましょう。説明できなかったら読んでいなかったのと同じなのです。
東進の林修先生も述べていますが、
人間の思考は、
類比、対比、因果の3つで捉えます。
これらを伝達するとき、
例示、比喩を使います。
まず、読んでる文章が、類比、対比、因果のどれなのかを見極めます。
次に例示を使ってるのか、比喩を使ってるのか考えます。
すると徐々に文章のタイプが見えてきます。
では、それでも要約できない場合どうしたらいいか。
今度は段落ごとに要約できるか試してみてください。
この段落は、類比、対比、因果のどれなのか。
例示を使ってるのか、比喩を使ってるのか、段落ごとに見極めます。
それすらもできなければ、今度は各文の主語と動詞に記号をつけてみることです。
〇や△をつけてもいいし、S・Vをつけるのでもいいです。ちゃんと英語として追っていけているか確認し、少しずつ焦りを取り除いていくことが大事です。
それでも全体として何を言っているか分からない場合は、その英文の日本語訳に目を通すことです。日本語訳がない場合、無理やりDeepL翻訳でもChatGPTでもいいので、訳を作ってみます。
実は、たまに理系の生徒で「全然読めない英文があります」と言ってくることがあります。内容は国際貿易の話だったりするのですが、日本語訳を渡しても「まだわからない」と言います。
日本語で読んで分からないものは英語で読んでも分かるわけがないので、この場合は背景知識をつけることが大事です。
理系でも政治経済の簡単な本を1冊読んでみるだけでも効果があります。
そして、毎日文章を読む習慣をつけることです。
2.英単語をしっかり覚えること
読解のなかで鍵となる英単語を一つを知らないことで、長文の内容すべてを誤読するケースがあります。
たとえば、南極大陸のAntarcticaを知らなくて、大西洋の話と勘違いしてたケースがありました。また、印鑑のsealを知らなくて、ずっと封筒の話だと思ってたケースもあり、英単語を一つ知らないことで長文読解の内容把握にすべて影響がでることがあります。英単語の知識は侮れないのです。
この場合は、単語帳を使ってでも必死になって覚えることが大切です。
3.得意だったころの長文を読み直すこと
英語の調子が良かった頃は誰しもあるはず。
テキストやプリントには、勉強した日付をどこかに書いておきましょう。
そして、調子が良かった頃に読んでた長文を何度も読み返すことです。
これをすることで、読めていた頃の感覚が戻ってくる人が多いはずです。
3つほど克服法を紹介してきましたが、
スランプに陥ってしまうキッカケはいろいろあります。
よくあるのが、英語の読解を毎日やらずに、「共通テストやセンター試験が近いから」という理由で理社ばかり勉強してしまうことです。
英語は3日間やらなかったら鈍ります。英文が読めなくなると受験の結果そのものが大きく変わってしまいますので、理社が危なくても英語の読解は必ず毎日30分はやるべきです。誰でも30分はとれるはずです。
そして、調子が良かったころの英文を取り出して何度も声に出して読んでみることです。英語はスポーツと似たようなところがあり、なんども反復していると感覚が戻ってくるものです。
「英語の感覚を失わないように気を配る」
「得意だったころの教材を使ってみる」
これらを意識してみてください。