高校2年生の秋になると、生徒に必ず聞く質問があります。
「選択科目は何をとったの?」と。
英語塾ではありますが、英語以外の科目の状況について質問しておいてよかったというケースがたまにあります。
今回は大学受験で失敗しないためにも大事なサンプルをいくつか紹介してみます。
慶應志望ケース1
生徒「私立文系ですけど、地歴の代わりに数学を選びました。英数国受験です」
自分「第一志望はどこなの」
生徒「慶應です。学部はどこでもいいので慶應に行きたいです」
自分「地歴を取らない文系学部ってことは、経済とSFCしか受けられないよ」
生徒「え、そうなんですか・・!?」
自分「文学部、商学部、法学部は必ず社会が絡んでくる。数学を使えば確かに入りやすくなる面はあるけど、社会をやらないと受けられる学部が限定される。それと、他の大学でも文学部や法学部だと、地歴の代わりに数学を選べないケースがあるから気を付けないといけない。国立型で、英数国地歴と勉強してるなら大丈夫だけど」
慶應志望ケース2
生徒「とりあえず私立文系です。数学はやらないです」
自分「地歴はなにを選んだの?」
生徒「地理です」
自分「第一志望は?」
生徒「慶應の法学部か経済学部を考えてます」
自分「どっちも地理受験できないよ。世界史か日本史じゃないと受けられない」
生徒「マジすか。危なかった。地歴とあったので地理受験できると思ってました」
自分「地歴とあっても地理は選べなくて、慶應の法と経済の社会は実質的に歴史のみになる。地理受験OKなのは慶應では商学部のみだよ」
国立文系志望のケース
生徒「東大か一橋を志望してます」
自分「理科は何にするの」
生徒「化学です」
自分「文系が化学を選ぶのはきつすぎる。学校でやった理論化学が面白くて選んだのかもしれないけど、まだ手を出してない無機と有機は大変だ。あれだけで公民3科目分くらいある。文系が化学を選ぶのは大きなハンデになるから、地学か生物にした方がいい。負担が全然違う。ちなみに地学なら実況中継と薄い問題集をやれば3か月で8割以上とれる。知り合いで化学をとった男は、一年間こつこつやって6割台だった」
生徒「そうなんですか?でも化学とか教養として大事じゃないですか」
自分「教養としてやりたければ大学に入ってからやるべきなんだ。受験ではいかに負担の少ないものを選ぶかが大事だよ。最後の最後で、受験は1点もしくは小数点刻みの点の取り合いになるから。そして受験は情報戦みたいなところもある。不利なものは絶対に選んじゃだめだ」
医学部志望のケース
自分「理科は生物、物理どっちをとったの?」
生徒「自分は化学をやらずに物理と生物です」
自分「それだと将来的に万一、医学部から方針転換するとなると、受けられるとこが限定されるよ。まず薬学部は化学必須だから受けられない。早稲田と慶應の理工は物理と化学が必須だからこれらも受けられない。理科大なら物理のみで受けられる」
生徒「そうなんですか?化学を入れといた方がいいですかね」
自分「その方がいいと思うよ」
このようなやり取りを過去にしてきて、生徒が高校2年の秋に気づいて良かったというケースがかなりあります。
特に通ってる学校が小学校からの一貫校だと大学受験が実質的にはじめての受験になるため、敵をよく調べずに戦いを挑んでしまうケースがあります。
特に、地理が使えないのに地理を選んでたりすると慌ててしまいますので、こちらから進路について質問し、危なそうな場合はアドバイスするようにしてます。