TOEICから分かることは、英語力だけではありません。
データを詳細に分析すると、様々なことが分かります。
TOEICではL(リスニング)とR(リーディング)でいうと、L(リスニング)の方が高く出ます。
文法重視で育った世代は、リスニングとリーディングでいうとリスニングの方が少し上かだいたい同じくらいです。
つまり、L≧Rのようなスコアで、
L350 R 320みたいな得点になります。
一方でコミュニケーション重視の若い世代は、リスニングの方が圧倒的に高く出る傾向があります。
つまり、L>>Rという感じで、
L390 R200みたいなスコアになります。
しかし、非常に珍しいのですが、若い世代でリーディングの方が高い人たちが一部にいます。どこかの英語塾で高校受験や大学受験対策のバイトをしていた経験のある人たちです。
そういう人たちは、一橋や早稲田や慶應の学生でも、
L350 R400のようなスコアをとったりします。
ただ、これは英語塾で教える経験がなければ、きっと
L350 R200のようなスコアだったはずで、かなり辛口コメントをすると、リスニングは自主的にやってないという見方もできます。
(R400取れるならLは450以上は出るはずです)
英語を教える経験があった人には、LとRのそれぞれのスコアを聞くと、リスニングの練習を自発的にする人かどうかが分かります。
次に、リスニングの伸びが非常に早いタイプというのを見てみましょう。
リスニングが一気に上達するタイプは、何か楽器を習っていた人です。
楽器を習った経験のある人は、同じ音楽を聴いていても、楽器を習っていない人とは違った楽しみ方ができるいいます。つまり音やリズムに対する感度が違うのです。
ある英語塾で教えていたとき、ピアノを習っていた女の子は、最初に受けたTOEICは
L400 R350のようなスコアでしたが、一年後にはL495 R405で900点になっていました。リスニング対策は何をしたのかと聞いても、特別何かしたわけではないとのことでした。ただ慣れただけで取れるようになったようです。
東大生の小さい頃の習いごととして、ピアノがよく挙がるのですが、東大のリスニング重視の英語と何か関係があるのかもしれません。
今度は、TOEICで極端にスコアが低いタイプを分析してみましょう。
たまに、L120 R60 T180のようなスコアを取る人もいます。
この得点から分かることは、リーディングで分からないところはとりあえず何かマークするということをしてないことです。何かマークしておけばもっと高い点が取れるはずです。つまり、素直な性格ともいえます。このようなスコアからスタートしても、しっかり学習していけば1年後に英検準2級、そしてさらに1年後に英検2級とステップアップしていきます。
トータル250点くらいの人よりも、180点くらいの人の方が案外着々とスコアアップしていったりします。
TOEICのスコアを聞いたとき、どういう伸び方をしているか、リスニングとリーディングのスコアはそれぞれどうかと調べることで、その人の個性が垣間見えることがあります。