早稲田の理工学部、慶應の理工学部、慶應の薬学部の長文読解はどれも理系の素材から出題されています。
慶應薬学部に関しては言語の話など、少し文系寄りな話題も出てきます。それでも両大学ともに理系の語彙が多く出されることに変わりません。
最近では、
慶應理工では最新の技術であるBlockchain, Cloud computing, Brain computing, Green metricsなどの意味が問われる問題が出されました。ただその一方で、和文英訳は村上春樹の故郷に関する日常的な話題が出されています。
和文英訳はごく身近な話題について英訳できるようにし、読解や語彙に関しては理系の素材で鍛えることが大切です。
では理系の素材に多く触れるにはどうしたらいいか。
メンガリタリカの著者である中澤幸夫氏の作品がおすすめです。
上の写真で4冊紹介していますが、もし1冊だけに絞るなら、入試に特化した内容であるリンガメタリカです。
リンガメタリカは文系の内容も含まれていますが、理系に関しては、
環境問題(生態系、地球温暖化、クリーンエネルギー)、
科学(進化論、ニュートン力学的決定論、カオス理論とバタフライ効果、ロボットと人工知能)、
医学・生命倫理(クローン羊、遺伝子工学、幹細胞、鳥インフルエンザ、脳死、安楽死、末期医療)、
インターネット(メディアリテラシーなど)
多くの理系素材が集められています。
使い方としては必ず別売りCDを購入し、スマホなどに落として何度も聴くことです。早慶理系学部ではリスニングは出されませんが、音源を使うことでしっかりと定着します。
難単語は正確なスペルまでは問われませんので、意味を認識できるくらいにしておけば大丈夫です。
他には、
テーマ別英単語ACADEMIC[初級]
テーマ別英単語ACADEMIC[中級]02自然科学編
テーマ別英単語ACADEMIC[上級]02自然科学編
の三冊が出ています。こちらの方がレベルは高いです。
実際問題として、早慶で確実にスコアを取りに行くなら、[初級]の理系素材はしっかりこなし、できれば[中級]まで目を通しておくのが望ましいといえます。
[上級]に関しては一部に入試をはるかに超えた語彙があるので、こちらは仮に購入してもすべて完璧にこなす必要は全くありません。[上級]はややオーバースペックです。
早慶理系学部は、東大や東工大(東京科学大)などと比べても英単語のレベルがかなり高いので、語彙をしっかりやりこむことが重要です。
国立は語彙力を問うというより、英作や和訳での表現力、文法は基礎の組み合わせからくる難しさを試したり、読解では内容を深く読めるかどうかといった活字力を求めてきます。
その一方で、早慶は難単語を知ってるかどうかと、「知識」そのものを試してきます。
やはり早慶では語彙力を鍛えておくことが重要です。
リンガメタリカなどで語彙力をつける際、語彙のみで覚えるのではなく、「長文を何度も読む」ことを意識してみてください。ストーリーに絡ませて覚えると結果的に語彙もくっついてきます。
覚え方としてやってはいけないのは、無言でノートに書き写すことです。
このやり方だと、音楽の授業で、歌詞を一度もメロディを聞くことなく覚えようとしてるのに似ていて、労多くして益少なしです。
また、文化祭の劇でセリフを覚えようとしたら、無言で台本を書き写しだす人はいないように、やはり声に出して何度も喋ることが大事です。
音源(CD)を使って何度も聴き、自分でも真似して音読してみることが大切です。そしてストーリーを覚えるまで何十回も読むことです。
「語彙を覚えることに意識を向けるのではなく、ストーリーを覚えるようにすること」がコツです。その方が覚えられます。
長文を何度も読み、音源を使うこと。この二点を意識してハイレベルな語彙を攻略してみてください。