慶應義塾大学は英語命の大学といっても過言ではありません。
英語が他の大学より難しく、かといって難しすぎて点差がつかないような出題でもなく、しっかりと努力した人が報われる形式になっています。
そんな慶應の英語ですが、学部によっては少しずつ変化の兆しが見えてきました。
まず、早稲田の政経が共通テスト必須、数学1A必須にしたことから、国立型になり、それがきっかけで早稲田全体がブランド化したせいか、近年、早稲田と慶應の同じ学部同士だと早稲田を選ぶ人が増えてきています。
そこで、慶應も何か対策をしてくるのではないかと、HPを見ていたらやはり動きがありました。学部入学案内 - 一般選抜:[慶應義塾]
2024年12月6日のお知らせで、経済学部では2027年度から小論文を廃止することになったとのこと。
今までA方式では、
英語200点、数学150点、小論70点だったのが、
英語200点、数学200点になり、
今までB方式では、
英語200点、地歴150点、小論70点だったのが、
英語200点、地歴200点になるそうです。
小論があることで受験をためらっていた層に受けてもらうためではないかと思います。
すると、大学に入ってから日本語で論文を書く力があるかどうか試す問題が、英語になる可能性があります。
現在は英語の記述問題は自由英作だけですが、2027年から英文和訳、和文英訳、要約などが出題されるかもしれません。
他には、慶應理工も出題形式において近年少し揺れています。
2023年から和文英訳など記述が出題されるようになったことです。
2022年までは全問マーク式だったのが、ここ2年で記述を入れるようになってきました。
要約問題は2023年だけで、2024年になると姿を消していますが、今年はどうなるか分かりません。
もしかしたら90字から110字の要約を入れたことで採点に時間がかかりすぎ、2024年は取り払った可能性があります。ただ、記述力をみたいという大学側のメッセージが和文英訳から伝わってきますので、急に英文和訳など短めの記述問題が現れる可能性はあります。
文学部では英検利用が始まったり、法学部も地歴の配点を高くしたり、全体的に「記述力をみる」方向にシフトしている感じがします。
最後に、慶應義塾大学を受ける人にお勧めしたいのが、
慶應商学部の英語を解くことです。
商学部の英語は慶應の中で一番取り組みやすく、長文、文法、語彙とオールラウンドに試してくる良問揃いなのです。慶應理工とも出題形式が似ています。
商学部の英語では8割程度の得点が欲しいところです。
他の学部の英語を見渡すと、
文学部、経済学部、法学部、薬学部、SFCの英語は学部のカラーが強いです。
しかし、商学部と理工学部、看護医療学部あたりはオーソドックスな出題です(ただ、理工では一部で理系でないと分からない語彙を試す設問があります)。
これらは他の学部を受ける人も力をつける上でいい問題なので、受ける予定がなくても赤本を買って解いてみる価値があります。
特に商学部の英語は今週末の共通テスト対策にもそれなりに効果を発揮します。理系の場合は、商学部の数学もちょっとした練習に使えると思います。
いろんな学部の問題を取り入れた教学社の「慶應の英語」もおすすめです。
かつては赤本は受験直前期になると本屋から姿を消し、入手困難になっていましたが(つまり途中から志望校変更が難しかった)、最近は大型書店ではまだ取り扱っているところが多くあります。
もしなければ最終手段としてはAmazonを使えば大丈夫です。
ぜひ良質な問題に多く触れてみてください。