早稲田大学と慶應義塾大学、両方受かったらどちらに進学するか?
この話題は週刊誌やSNSやYouTubeなどでよく目にしますが、早稲田OBによる一方的な解説だったり、早慶と関係のない人たちで盛り上がってる傾向があります。今回は慶應OBである自分の視点から分析してみます。
上の写真は、AERA2021年(東進ハイスクールのデータ)に基づくものです。
自分の頃は、圧倒的な慶應人気がありました。
生徒を教えていても、「私立ならできれば慶應」という人がほとんどでした。
理由として、まず司法試験と公認会計士の合格者数では慶應が圧勝しており、就職も慶應の方が良かったという点が挙げられます。
同じ学部同士なら8割くらいが慶應を選んでたのですが、近年はこの流れに歯止めがかかり、早稲田を選ぶ人が増えてきているのだとか。
ただ、東進ハイスクールのこのデータで少し気になる箇所があります。
まずダブル合格者の母数が出ていないこと。
たとえば「慶應法と早稲田法に両方受かった人が何人いるのか」という数が出ていないのです。
100人ぐらいのデータをもとにパーセンテージを出してるのか、わずか20人ぐらいのデータなのか、よくわからないのです。
実際のところ、慶應法と早稲田法、今の時代両方受かる人は珍しいのではないでしょうか。出題傾向が全然違うので相当な学力がないとダブル合格は難しいはずです。たいていはどちらか片方合格するので精一杯です。
また、もう一つ気になることがあります。
それは、早稲田が一般入試の募集定員を減らしていることです。
定員を減らせば、それだけ椅子取りゲームの難度が上昇するので、難しくなります。そうすると早稲田を選ぶ人が増えるはずです。
文系の主要学部のデータを見てみましょう。
早稲田政経 偏差値70.0 定員350人
慶應経済 偏差値67.5 定員630人
早稲田法 偏差値67.5 定員450人
慶應法 偏差値67.5 定員460人
早稲田商 偏差値67.5 定員535人
慶應商 偏差値65.0 定員600人
早稲田文 偏差値70.0 定員415人
慶應文 偏差値67.5 定員580人
ざっと見ると、早稲田で定員が少ないところで偏差値が高くなっているのがわかります。そうすると早稲田を選ぶ人が増えてくるのかもしれません。
次に大学のカラーを見ていきましょう。
早稲田はリベラル、慶應は保守というカラーがあります。
早稲田のキャンパスを歩くと立て看板を見つけることができますが、慶應にはそれがないのです。あっても大学のシンポジウムの紹介くらいです。
慶應は自由な学校ですが、他の大学と比較したときに「どう自由であるか」が見えてきます。立て看に関しては自由ではなかったようです。
そして早稲田の方は良くも悪くもいろんな人がいて、演劇に熱中する人もいれば小説家を目指す人もいる。慶應は全体として大企業に行く人が多い。つまりサラリーマン養成学校のような側面があり、自分のように塾の講師をしてる人は珍しい。そんな感じがします。
時代のせいかもしれませんが、最近ではリベラルを求める流れもあって早稲田人気が起きてるような気もします。これはどちらがいいか悪いかではなく、好みの問題だと思います。
キャンパスに関しては、早稲田は都会。
慶應の日吉は田舎で、三田はオフィス街。
早稲田は4年間同じキャンパスですが、慶應は途中から変わるせいか、この時に就活モードに変わる人が増える印象があります。
つまり、いい意味で焦らしてくれます。
早稲田のキャンパスは都会のど真ん中にあって魅力的ですが、ずっと同じところにいるので、慶應でいう日吉に4年間ずっといるノリで終わってしまう可能性もあります。
最後に意外と見落としがちなのが、卒業後について。
就職に関しては、まだ慶應の方がややリードしている感じがします。
ただ、例えば最初の就職先を5年以内にやめてしまっては、結局就活のアドバンテージは意味がないのではないかという指摘もあります。
それでも最初の就職先が良ければ次の仕事も見つけやすくなるのではないでしょうか。三田会という強力な学閥もあるので、案外助けられる可能性があります。
そしてもう一つ。
早稲田と慶應では卒業後の雰囲気が違うことが挙げられます。
政治家を見てると早稲田出身の人と慶應出身の人では雰囲気が確実に違います。
教育系のYouTuberを見てても少し違いを感じます。
早稲田はバンカラで高田馬場で酔った勢いで電信柱に登ることがあると聞きますが、慶應の三田でそれが起きるとは考えにくいのです。
人は二十歳前後にいた環境の影響を受けます。
そして、それをなかったことにすることはできないのです。
これも大学選びにおいて大事だといえます。
偏差値やキャンパスだけでなく、卒業後にどんな雰囲気の人になりたいのか、OBをよく観察すると、選ぶ上でのヒントが見えてくるかもしれません。